生理をずらす!? 旅行や受験シーズンで上手に活用したい“ピル”の効果や注意事項を婦人科医に聞いてきた

ピルには大きく
①生理をずらすピル(月経移動ピル)
②月経困難症や月経前症候群(PMS)を緩和させるピル
③緊急避妊ピル

の3種類があります。

はい、ピルによって生理の日数をコントロールすることができます。ただ人によって何日前から、何日間服用するのかは異なります。生理をずらしたい方は、お早めにご相談下さいますようお願いします。

望まない妊娠を避けるためのピルももちろん存在しますが、それ以外の用途で使われるピルも非常に多いです。日本が諸外国に比べ、ピルが普及しておらず、使用者が少ないことも関係しているかもしれませんね。

またピルには、月経困難症 (生理痛が日常生活に支障を来す場合)や、生理前に様々な症状が生じる月経前症候群(PMS)の解消や緩和につながるピルも存在します。

月経困難症と診断された場合は保険が適応されます。また、ピルによってホルモンの量や種類、飲み方も違うため、ピルを服用する際は、医療機関での受診をおすすめしています。

飲み始めてから3ヶ月間くらいは、頭痛やめまい、吐き気、不正出血などの副作用が出ることがあります。これは自分の卵巣から分泌される女性ホルモンと、ピルにより供給される女性ホルモンにより、相対的にホルモン量が多くなり、ホルモンバランスが安定化しないためです。

ピルの服用を継続すると、自分の卵巣由来の女性ホルモン量が減少し、次第に安定化するとされます。また、肝機能障害や血栓症などの副作用も知られているため、定期的な採血が必要です。

ピルの服用開始後の頭痛や吐き気、不正出血などの症状により、「私にはピルは合わない」と思って中断し、つらい生理痛やPMSを我慢している人は多いのではないでしょうか？

当院ではピルの副作用を緩和しつつ、ピルの服用を継続させるための工夫として漢方薬も同時に処方しています。

当院は診療科として漢方内科も兼ね備えています。漢方は生理に関する様々な症状に加え、便秘・冷え症・むくみなど、婦人科系の疾患のみならず、婦人科系以外の症状にも有効とされています。病気ではないけど..という女性特有のお悩みもお気軽にご相談ください。

ピルを飲むと体質的に子どもができづらくなる、といったことは医学的には証明されていませんのでご安心ください。

月経困難症やPMSをコントロールするには原則服用継続が必要となりますが、妊活を希望される場合は服用を中止してください。ピルの服用を止めて1、2か月前後で排卵と月経が再開します。

また気軽にご相談くださいね。